安全衛生

全ての従業員が健康で安心して働くことができる職場づくりを目指し、「安全衛生方針」を掲げ労使一体となって活動しています。死亡災害などの重大な災害を予防することはもちろん、「災害の撲滅」を目指して職場に潜在する危険源を抽出し、本質安全化、転倒予防対策、作業環境改善を推進するとともに、安全衛生教育も継続的に実施しています。

2024年度 安全衛生方針

1. 基本方針

働く人達の健康と安全の確保は会社経営の基盤であるとの理念のもとに、労使が協力して安全衛生最優先の職場風土を醸成するとともに、職場に潜在する危険、有害要因を排除し、労働災害を撲滅して健康で安全な職場をつくる。

2. 目標

「災害の撲滅」

3. 安全魂

「油断大敵」

4. スローガン

「意識で変える自分の行動 動いて変わるみんなの意識 みんなで作ろう安全職場」

5. 重点活動項目

(1)災害予防のための重点6項目の推進

近年の災害発生状況や法対応を踏まえ、次の6項目を重点実施事項として取り組む。

1.
機械・設備での挟まれ・巻き込まれ防止のための本質安全化の推進
2.
命札運用ルールの定着化
3.
高年齢従業員が安全に働ける職場環境づくり
4.
若年層(10代、20代)への熱中症予防教育の強化
5.
化学物質へのばく露防止対策の徹底
6.
段差やステップ等での転倒・転落予防の強化

(2)労働安全衛生マネジメントシステムの強化

労働安全衛生マネジメントシステムの運用において次の事項の強化を図る。部門・事業部・ブロックでは安全衛生パトロール等を通じて次の事項を含めて運用状況を確認し、問題や不十分な点があれば改善を促す。

1.
トラブル時や修理・点検などの非定常作業を含めて重大危険源の抽出に積極的に取り組むこと。特に実施頻度の少ない作業は作業前に危険源の抽出を行い、必要な安全対策を講じてから実施すること。
2.
重大危険源は事業所・工場の安全衛生委員会で情報共有し、各職場では自職場で関係する重大危険源を作業者全員に周知すること。
3.
リスク除去・低減対策の難しい危険源については安全に作業するためのルールや作業方法、注意事項を作業標準などに明確に記載すること。
4.
重大危険源で作業を行う場合は事前に教育を行い、正しい作業方法を習得させてから作業に就かせること。
※1 重大危険源:重大災害につながる作業や危険箇所をいう
※2 重大災害:死亡、植物状態、両目失明や手足の切断などで被災者の本来業務ができない、あるいは 大きく制限されるような重度の災害をいう

安全衛生推進体制

安全衛生管理を総合的に推進するために、全社を統括する「安全衛生委員会」を本社に、その傘下には事業所・工場の「安全衛生委員会」を設置しています。本社の安全衛生委員会は年2回開催され、全社の安全衛生方針や安全衛生に関する施策を策定します。各事業所・工場の安全衛生委員会は、全社方針や施策に沿った具体的な安全衛生活動を計画し、従業員に周知させ推進しています。

安全衛生体制図

労働災害発生状況

各事業所・工場では「災害の撲滅」を目標として安全衛生活動に計画的に取り組んでいます。2023年は休業災害件数が前年から3件減少し14件となった結果、度数率が1.22に改善しました。強度率は0.06で、製造業の平均より低い値に改善しました。今後も労働災害リスクの除去・低減に向け、従業員一人ひとりが安全最優先の意識を持って行動できるよう、労使が協力して安全衛生活動を推進し、災害の撲滅に取り組んでまいります。

労働災害の発生状況

グループ会社との安全衛生パトロール

  • 当社の事業所・工場およびグループ会社の安全担当者が1年に1回全ての事業所・工場をパトロールし、客観的な視点で潜在的リスクを発見することで、職場の安全衛生改善につなげています。危険箇所に関する情報や効果的な改善の取組みを水平展開することで安全衛生レベルの向上を図り、労働災害を未然に防いでいます。また、パッケージング部門の関東事業部や中国・四国・九州事業部および製紙部門では、グループ会社が当社の安全衛生パトロールに参加するほか、相互に安全衛生パトロールを実施し、交流を図っています。今後も国内グループ会社と情報共有を密に行い、災害の撲滅に取り組んでまいります。

  • 作業中の社員
    パトロール風景

設備面での暑さ対策の実施

  • 地球温暖化の影響で35℃を超える猛暑日が増える中、熱中症のリスクが高まっています。夏の暑さはさらに厳しくなることが予想されるため、当社では設備面での暑さ対策を進めています。熱源が多いエリアでは、給排気設備を増強して工場内の気温を外気温に近づけています。環境に優しい気化放熱式涼風装置を利用したゾーン空調を行うことで、安全・快適に働ける職場づくりに取り組んでいます。

  • 作業中の社員
    気化放熱式涼風装置

段ボールシートの搬送自動化

  • 段ボール工場では、段ボールシートを運搬するために多くのローラーコンベアが敷き詰められています。当社ではローラーコンベアをプラスチックモジュールコンベアに置き換えてシート搬送を自動化するとともに、手押しトラバーサを電動化し、シートの受渡しの自動化を進めています。作業の省力化と機械の本質安全化を進めることでローラーコンベア上での転倒災害撲滅にもつなげています。

  • 作業中の社員
    段ボールシートの搬送自動化

VR体験機による安全教育の実施

  • VR体験機を用いた安全教育により、高所からの落下、コンベアによる巻き込まれ、感電などの重大な災害を仮想空間で疑似体験することができます。机上の安全教育だけでは伝え切れない災害の怖さをVRで体験することで危険予知能力を高めています。

  • 作業中の社員
    VR体験の様子