生産

レンゴーグループは、多くのエネルギーを利用し生産活動を行っています。エネルギー効率を高めることはエネルギーの安定供給の確保につながるだけではなく、気候変動問題への対応にもつながることから、当社グループはエネルギーを効率的に利用するため、徹底した省エネルギー活動を進めています。

温室効果ガス排出量の削減

Scope 1+2排出量の削減
当社グループでは、「エコチャレンジ2030」における温室効果ガス排出量の削減目標として、2030年度までに生産拠点における化石エネルギー起源CO₂排出量を2013年度比で46%削減することを目指して取組みを進めてきました。2023年度は、バイオマスボイラの稼働や自家発電の縮小などにより、化石エネルギー起源CO₂排出量は2013年度比で14.5%の削減となりました。 2024年度からは、2030年度までに生産拠点における温室効果ガス排出量を2013年度比で46%削減することを新たな目標に掲げています。目標の達成に向け、徹底した省エネルギー化とともに、石炭・重油ボイラの燃料転換、バイオマスボイラの新設、太陽光発電などの再生可能エネルギーの導入促進に取り組んでいます。

温室効果ガス排出量の削減

Scope 3排出量の削減
当社の2023年度のScope 3排出量は1,221千t-CO₂となり、そのうちカテゴリ1は全体の53%となっています。当社グループでは、購入原紙、樹脂原料、樹脂原反などがカテゴリ1排出量の大半を占めています。今後は、サプライチェーン全体の排出量削減を念頭に取組みを検討してまいります。
Scope 1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)
Scope 2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
Scope 3:Scope 1、Scope 2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出)

温室効果ガス排出量の削減

板紙・段ボール製品の製造におけるCO₂排出原単位の推移

当社における2013年度以降の温室効果ガス排出量削減の取組みの結果、2023年度のCO₂排出原単位は板紙製品の製造において2013年度比で24%、段ボール製品の製造においては12%低下しています。2023年12月より導入したカーボンフットプリント(CFP)算定システムを活用し、お客さまと協働でさらなる温室効果ガス排出量削減の取組みを進めてまいります。

PRTR法対象物質の排出量・移動量の推移

太陽光発電

太陽光発電設備は、設置する地域や工場の特性を考慮して2007年度より導入を進めています。当社グループ全体で23拠点に導入しており、2023年度には年間8,121MWh(29TJ)を発電し、そのうち3,516MWh(13TJ)を自家消費しました。

  • 愛媛東温工場 太陽光パネル
    愛媛東温工場 太陽光発電設備

水資源の効率的利用

  • 当社グループでは、限りある水資源を大切にして効率的に利用するために、あらたに水使用量原単位(水使用量÷売上高)の目標値を設定しています。
    各拠点で使用する水は、上水、工業用水、地下水、周辺の河川などから取水しており、2023年度の取水量は46,303千m³となりました。今後は、全体の水使用量の削減を進めるとともに原単位の削減にも努めてまいります。
  • 再利用水処理設備
内部循環のフロー図

総取水量および取水源別比率

化学物質の管理

PRTR法対象物質の排出量・移動量の削減

当社のPRTR法(化学物質排出把握管理促進法)に基づく2023年度のPRTR法対象物質の排出量・移動量は、771tとなりました。生産量の増加などの要因により、前年より増加しましたが、武生工場では製造工程で排出されるガスの洗浄設備を増強するなど、排出削減の取組みを進めています。

PRTR法対象物質の排出量・移動量の推移

VOC排出量の削減

当社グループでは、板紙やフィルムの印刷・加工工程でVOC(揮発性有機化合物)を含むインキや加工剤を使用しており、乾燥後にVOCが大気中に排出されます。VOC排出量を削減するため、サプライヤーとの協働により低VOC溶剤やノンVOCインキへの転換に取り組んだ結果、2023年度の排出量は3,050tとなりました。

VOC排出量の推移

大気汚染・水質汚濁防止への取組み

当社グループでは、ボイラの燃焼温度や焼却炉の排ガス処理設備を適切に管理することでNOxやSOx、ばいじんなどの大気汚染物質の排出量を規制値を下回るレベルまで低減しています。排水は加圧浮上、微生物分解、沈降分離などの浄化処理を行うことで規制値以下の水質を維持し、河川や下水道に放流しています。厳しい自主基準を設けて定期的な測定を行うことで、管理の徹底を図っています。

土壌汚染防止への取組み

当社の有害物質貯蔵指定施設および有害物質使用特定施設を設置している事業所・工場では、施設や周囲の床面などを定期的に点検・保全することで、漏えいなどによる土壌汚染を防止しています。

パッケージの軽量化

段ボール原紙の軽量化

当社では、2002年から原紙の軽量化に着手し軽量原紙や軽くて強度の高いLCC原紙(Less Caliper & Carbon Containerboard)を開発しました。「LCC120」と「LCCX90」はそれぞれ一般的な中しん原紙の160g/m2と120g/m2と同等の強度を保ち、さらに25%の軽量化を実現しています。

段ボールの基本浩造 軽量原紙の種類と坪量

段ボールの軽量化

デルタフルートによる軽量化、高機能化

段ボールは厚みに応じてさまざまな種類があり、当社は薄物化の普及に取り組んでいます。デルタフルートは厚さ2mmの当社オリジナル規格の段ボールで、外装箱としても内装箱としても使用できるため、段ボールの軽量化、高機能化を図ることができます。また、厚さ4mmのCフルートは厚さ5mmのAフルートと強度が同等でありながら容積が約20%減るため、Aフルートの代替として広く使用されています。

デルタフルートとCフルートの特長
Cフルート段ボールの推進

従来、日本で主流となっていた段ボールは厚さ5mmのAフルートですが、世界的には厚さ4mmのCフルート段ボールが主流となっています。わずか1mmの違いですが、中しんの消費量を削減できるとともに約20%減容化されるため輸送効率があがり、省資源、省エネルギーにつながり、ひいてはCO₂排出量の削減にも寄与します。レンゴーでは2005年から段ボール工場にCフルート生産設備を導入し、業界に先駆けて世界標準化への対応、省資源・省エネルギー型の段ボールの普及を推進しています。

Cフルート段ボールの特徴
これまでの取組み