限りある資源の枯渇や、大量生産・大量消費に伴う廃棄物の増加、気候変動問題の深刻化を背景に、当社グループは持続可能な社会の実現に向けて、資源の効率的な循環と、非化石資源や再生材の使用比率の最大化を目指しています。
段ボールの資源循環
段ボールは、原料のほとんどが古紙です。一度使われた段ボールは、リサイクルすることで何度も新しい段ボールに生まれ変わります。当社グループは古紙利用技術に磨きをかけ、古紙利用率98%を達成しています。残りの2%は、段ボールの強度を保つためのパルプですが、これについても未利用木質資源の利用推進等により持続可能なパルプの調達に努め、限りある資源を大切にしています。
板紙製造における古紙利用率※1(連結※2)

- 出所:(公財)古紙再生促進センター
- ※1板紙製品全体の原料に占める古紙の割合
- ※2レンゴー単体および国内連結子会社の板紙製造拠点
- 注:業界は暦年の実績(24/3は2023年1月-12月)
段ボールのリサイクルの輪
段ボールは、古紙回収システムが確立した資源循環型の製品で、100%リサイクルが可能です。 商品それぞれのサイズや内容に合わせたオーダーメードの包装で、大切に物を運んだ後の使用済み段ボールは、価値ある資源として、新たな段ボールに生まれ変わります。

リサイクルマーク
段ボール箱に、時計回りの矢印と段ボールの絵が描かれたマークをご覧になったことはありませんか。
これは、国際段ボール協会が定めた「段ボールのリサイクルマーク」で、リサイクル可能な段ボールであることを示しています。
このマークは、消費者や自治体による分別・回収を促進し、リサイクル品の品質向上にもつながります。

段ボール古紙の社内循環
段ボール工場での生産時に発生する端材は全て、原紙を運搬したトラックの帰路を利用して製紙工場へ戻し、製紙原料として再利用しています。

機密古紙の受け入れ
当社の八潮工場・尼崎工場・利根川事業所では、従来焼却されていた機密書類を製紙原料として活用しています。機密古紙専用設備を導入し、未開封のまま処理する体制を整え、情報漏えい防止に努めています。いずれの工場も情報セキュリティ管理の国際規格であるISO 27001を取得しており、適切なセキュリティ管理を実施しています。
未利用木質資源の利用拡大
当社グループでは、使用するパルプについて、製材残材や林地残材、古材など、国内の未利用木質資源を原料とする板紙用パルプの利用を進めています。サプライヤーの皆さまへの働きかけを含む、サプライチェーン全体での取組みを推進しています。
段ボールの軽量化
主力製品である段ボールの軽量化に取り組んでいます。強度などの性能を維持しつつ、より軽量な製品の実現を目指しています。軽量化は原材料の使用量削減だけでなく、輸送効率の向上にもつながり、サプライチェーン全体の環境負荷低減に貢献します。

臭気探知犬
当社では、2014年6月より「臭気探知犬」を導入し、臭い移りした古紙の混入を未然に防ぐ取組みを強化しています。臭気探知を開始して以降、臭い付き古紙混入の件数は大幅に減少し、それに伴って製品トラブルも着実に減少しています。臭気探知犬は、トラブルの防止だけではなく、工場内の雰囲気を和やかにしてくれる効果もあります。現在、臭気探知犬は利根川事業所と八潮工場におり、みんなに愛されて今日も元気に活躍しています。

プラスチックの資源循環
グループでの体制構築
当社グループは、プラスチック資源循環の構築に向け、「発生抑制(Reduce)」「再資源化(Recycle)」「再生可能(Renewable)」の取組みを推進しています。複数素材を使用するプラスチック包装については、単一素材化(モノマテリアル化)を進め、リサイクルしやすい製品を開発しています。さらに、リサイクル技術の開発にも注力し、資源循環を強化しています。
環境配慮型プラスチック製品の拡充
当社グループでは、軟包装関連事業の一貫体制強化に伴い、製品ラインアップの拡充を進めており、環境配慮型プラスチック製品の普及・推進に取り組んでいます。
環境配慮型プラスチック製品は、当社グループのフィルム・シートや包材・資材の中で、バイオマスプラスチックやリサイクルプラスチックを使用したもの、またはモノマテリアル(単一素材)構成のものなどを対象としており、プラスチック製品が抱える環境課題への対応を積極的に進めています。
廃プラスチック排出抑制と再資源化
当社は、「レンゴーグループ環境憲章」の基本理念のもとに、2050年に向けた「レンゴーグループ環境アクション2050」および2030年度までの「エコチャレンジ2030」を掲げ、プラスチック資源循環についても積極的に取組みを推進しています。
また、プラスチック資源循環促進法に基づく取組みとして、廃プラスチックの排出の抑制・再資源化(サーマルリサイクルを含む)にも努めています。当社から排出される廃プラスチックの90%以上は原料古紙に混入したプラスチックに由来するものです。これらの廃プラスチックを有効利用し、2030年度までに再資源化率100%とすることを目指しています。
プラスチックのリサイクル
アールプラスジャパンへの参画
水資源の効率的利用
当社グループの各拠点で使用する水は、上水、工業用水、地下水、周辺の河川などから取水しています。限りある水資源を大切にし、効率的に利用するため、全体の水使用量の削減に加え、水使用量原単位※の削減にも努めています。
※水使用量÷売上高

内部循環のフロー図

総取水量および取水源別比率(連結※)

※レンゴー単体および国内ならびに海外連結子会社の製造拠点