物流での取組み

「物流2024年問題」が目前に迫っています。働き方改革関連法を受けてトラックドライバーに時間外労働の上限規制が適用され、さまざまな影響が広がると予測されています。板紙・段ボールの製造・運搬も大きな影響を受ける可能性があり、当社はその解決に向けて、グループ企業とともに物流拠点の再編やDXに取組み、働きやすく生産性の高い「ホワイト物流」を推進しています。

製紙物流における改善

物流拠点の再編で倉庫間の移動を減らす

  • 段ボールの生産拠点には、原紙をつくる製紙工場と、原紙を貼り合わせてシートやケースに加工する段ボール工場があり、原紙は製紙工場から段ボール工場へと輸送されます。
    国内最大規模の板紙・段ボール一貫生産体制を有する当社において、1日の段ボール原紙出荷量は平均7,000トン、倉庫間移動や出荷に使用するトラックは延べ900台にのぼります。これらの製紙物流に関わる労働時間を短縮し、ドライバーの負荷を軽減するために、物流拠点を整理して、各地に点在していた中小規模の原紙倉庫を3つの大型拠点(八潮流通センター、八潮第二流通センター、淀川流通センター)に集約しました。この拠点再編によってトラックの倉庫間移動や積込み回数の削減が実現し、CO2排出量削減にも貢献するとともに、ドライバーの運行時間や休息時間が確保され、負担軽減につながりました。

  • 淀川流通センター

    淀川流通センター

DXで輸送と付帯作業を効率化・省力化

  • 淀川流通センターでは、積極的にDXに取組み、荷揃え・トラックの誘導・積込み作業の省力化を実現しています。
    トラックの順番管理システム「catmotion」では積込み場所への誘導を自動化し、荷揃えするクランプリフトに搭載したピッキングアプリと連動して出荷準備作業を進めます。さらにAI搭載・レーザー誘導方式の無人クランプリフトの導入で、有人リフトとの荷役作業の分担を通じ、庫内作業の省力化・時間短縮を実現しました。トラックが積込み場所に入った時点で荷揃えは完了しており、すぐに積込み を開始できるようになりました。
    淀川流通センター以外の拠点倉庫についても水平展開を行っていきます。

  • 無人クランプリフト

    無人クランプリフト

RFIDによる一貫した原紙管理でさらなるドライバーの作業負担軽減へ

ドライバーの労働環境改善へ

製品ラベルにRFIDを活用する取組みも開始しました。従来、ドライバーによるバーコードの読取りで原紙積込み明細の照合作業が行われていましたが、RFIDの導入により、クランプリフトに設置したリーダーで積込みと並行して読取りを行い、照合作業を完了できるようになりました。ドライバーの負担軽減とともに、安全性の向上にも寄与します。
さらに、RFIDの活用は段ボール工場でも始まっています。入荷明細のチェックは、荷台上の原紙のRFI Dを一括で読み取って完了します。また、製紙工場のラベルをそのまま使用することで、段ボール工場でのラベル貼付作業が不要となり、ここでもドライバーの負担が軽減され、さらに作業時間の短縮にもつながります。

チャート図

ホワイト物流のさらなる拡大に向けて

レンゴーは、板紙・段ボール一貫メーカーとしての強みを発揮し、業界に先駆けて製紙工場と段ボール工場をつなぐRFIDによる原紙管理プラットフォームを構築しました。また、日本製紙連合会と全国段ボール工業組合連合会に対して、RFIDによる原紙管理を提案しており、ホワイト物流を推進するという両業界の共通目標に向けた取組みの検討が進んでいます。 今後も、積込み、荷下ろし、荷待ちなど、ドライバーの作業負担と拘束時間を削減し、労働環境の改善と時間短縮につながる取組みによって、製紙・段ボール業界にまたがるホワイト物流の推進を図ります。