物流は、当社グループの事業活動とお客さまを結ぶ不可欠な機能であり、事業を支える重要な基盤です。
近年、物流業界では長時間労働の常態化が課題となっており、ドライバーの労働環境の改善と健康確保が求められています。2024年には時間外労働の上限規制が適用されるなど環境変化が進む中、ドライバー不足や高齢化による輸送能力の低下も懸念されています。
こうした状況は、当社グループにとっても重要な経営課題の一つと認識し、サプライチェーン全体の効率化と持続可能な物流の実現に向けた取組みを進めています。
物流従事者の安全確保と負担軽減
納品リードタイムの確保
レンゴーにおけるリードタイムの現状
納品の短納期化は、生産・輸送の調整余地を狭め、ドライバーの労働負担の増加や安全性の低下など、サプライチェーン全体の効率低下の要因となります。
段ボール製品は、受注後に生産計画を立案し、製造・出荷を経て納品されます。生産計画に応じて段ボール原紙などの原材料調達も行われるため、製品のリードタイムは原材料のリードタイムにも影響します。
当社では受注後3日程度を段ボールケースの最低限必要なリードタイムと考えていますが、在庫圧縮や需要変動への対応ニーズを背景に短納期化が進み、当社では受注後2日以内(当日・翌日)の納品が14.4%を占めています。
この影響は上流である製紙工程にも及び、段ボール原紙のリードタイムが1~2日程度まで短縮されるなど、場合によっては当日納品に対応するケースもあります。
リードタイムの確保に向けた取組み
こうした状況の改善に向け、当社では適正なリードタイムの確保に取り組んでいます。リードタイムに余裕を持ってご注文いただくことで、輸送計画の最適化が可能となり、輸送の効率化やドライバーの負担軽減につながります。さらに、改正物流効率化法が求める積載効率の向上(運転者一人当たりの一回の運送ごとの貨物の重量の増加)にも寄与します。
一方で、お客さまにおける保管スペースの確保が課題となる場合もあるため、丁寧なコミュニケーションを通じて理解を得ながら、固定式ラックの設置やレイアウト変更により保管場所を確保いただくなど、具体的な改善を進めています。
こうした取組みにより、段ボール製品における納品リードタイムは、受注後3日以上の比率が2017年の78.8%から2024年には85.6%へと向上しました。また、製紙部門における段ボール原紙のリードタイムも0.5~1.0日延伸しています。
当社グループは、お客さまとの共創を通じて、サプライチェーン全体の効率化と物流従事者の働き方改善を推進しています。
物流効率化に向けた構造改革とDX
物流拠点の再編による輸送効率の向上
段ボールの生産拠点は、原紙を製造する製紙工場と、原紙を貼り合わせてシートやケースに加工する段ボール工場で構成されており、原紙は製紙工場から段ボール工場へ輸送されます。
国内最大規模の板紙・段ボール一貫生産体制を有する当社では、1日に平均約7,000トンの段ボール原紙を出荷しており、倉庫間移動や出荷に使用するトラックは延べ約900台にのぼります。
これらの輸送に関わる労働時間を短縮し、ドライバーの負担を軽減するため、物流拠点の再編を進めました。各地に点在していた中小規模の原紙倉庫を、八潮流通センター、八潮第二流通センター、淀川流通センターの3つの大型拠点に集約しました。
この再編により、倉庫間輸送や積込み回数を削減し、トラックの運行効率が向上しました。その結果、CO₂排出量の削減とともに、ドライバーの運行時間短縮や休息時間の確保など、負担軽減にも寄与しています。
RFID※による一貫した原紙管理でドライバーの作業負担軽減
働き方改革関連法の施行により、トラックドライバーの時間外労働に上限が設けられ、物流業界では労働環境の見直しが進んでいます。板紙・段ボールの製造・輸送においても、ドライバーが担ってきた付帯作業の削減が求められています。
段ボール原紙を製紙工場から段ボール工場へ輸送する過程では、荷役以外の付帯作業がドライバーの負担となり、荷役時間の長時間化や待機時間の増加につながっていました。
こうした課題に対応するため、製品ラベルにRFIDタグを搭載し、非接触でのデータ読み取りによる製品管理を導入しました。これにより、出荷時の照合作業を社内スタッフがフォークリフトに乗車したまま実施し、付帯作業を削減しました。さらに、段ボール工場でもRFIDを活用することで、入荷時の確認作業の効率化やラベル貼付作業の削減につながっています。
このように、当社グループではデジタル技術(DX)の積極活用により、ドライバーの負担軽減と安全性向上、作業時間の短縮を実現するとともに、「ホワイト物流」の実現を目指しています。
※RFID:Radio Frequency Identification(電波による個体識別)
RFIDによる製紙工場から段ボール工場までの段ボール原紙管理
DXで輸送と付帯作業を効率化・省力化
淀川流通センターでは、DXを積極的に推進し、荷揃えやトラック誘導、積込み作業の省力化を図っています。
トラックの誘導を自動化する順番管理システム「catmotion」により、積込み場所への誘導を自動化し、荷揃えするクランプリフトに搭載したピッキングアプリと連動することで、効率的に出荷準備を進めています。
また、AI搭載・レーザー誘導方式の無人クランプリフトを導入し、有人リフトとの役割分担を行うことで、庫内作業の省力化と作業時間の短縮を実現しました。トラックが積込み場所に到着した時点で荷揃えが完了しており、速やかに積込みを開始できる体制を構築しています。
今後は、これらの取組みを他拠点の倉庫へも展開し、物流全体の効率化をさらに推進していきます。
パッケージングを通じた社会の物流課題の解決
物流に不可欠なパッケージづくりを担う企業として、サプライチェーン全体の物流課題の解決に取り組んでいます。
お客さまの資材管理を効率化するサポートシステムとして、2021年から運用を開始した資材共同管理システム「ワスレン」は、お客さまと当社の受発注業務のスムーズなやりとりを実現しています。これにより、在庫管理や発注業務の効率化を図るとともに、資材発注におけるリードタイムの確保にもつながっています。
当社グループは、お客さまが抱える物流課題やニーズを的確にとらえ、パッケージ形態と包装システムの両面からその解決につながる技術開発と提案を行っています。
導入促進チラシ