中期ビジョン 「Vision120」
Creating the Future through Packaging
包装で
未来を創る
Creating the Future
through Packaging
2025年4月〜2030年3月
エグゼクティブサマリー
当社は、1909年の創業以来、段ボールの製造・販売を柱に事業の基礎を固めた後 、2000年頃から「パッケージ」をキーワードとする多角化を推し進め 、海外事業展開を強化し、レンゴーグループとしてヘキサゴン経営を確立しました 。物流に欠かせない多様な包装資材を国内外で提供することで、社会に貢献しています。
また、当社グループは、従来から環境負荷の少ない生産体制の構築に努めており、主力製品である段ボールをはじめとするセルロース由来の環境に優しい製品の供給に加え、石油化学由来の包装製品についても環境負荷に配慮した製品の開発を通じて、地球環境問題や社会的課題の解決を強く意識して事業を行ってまいりました。
これらの歴史を踏まえ、新たな進化を目指して、創業120周年にあたる2030年3月期までの5カ年で価値創出基盤の強化を図るとともに、マテリアリティ(重要課題)への取組みとグループ経営の進化/深化を図る上での指針となる中期ビジョン「Vision120(ビジョンイチニーマル)」を策定しました。
拡大した事業規模を活かし、事業内容を質的に強化することで、長期的な視点で創出価値の増大、新たな価値の創出を目指します。
このビジョンを通じて、持続的な成長と社会的な存在価値の向上を実現し、ステークホルダーの期待に応えてまいります。
当社グループのマテリアリティ
- 「パッケージプロバイダー」としての新たな価値創出
- 地球環境との共生
- 人を中心におく経営
- 持続的成長に向けた経営基盤の強化
グループ経営の進化/深化
- 一貫体制の進化/深化
- グローバル経営の進化/深化
2030年3月期
主な財務指標
売上高
12,000億円
営業利益
700億円
経常利益
720億円
EBITDA
1,350億円
ROE
8.5%
D/Eレシオ
0.7倍

2025年4月~2030年3月中期ビジョン
「Vision120」資料
5年間のメインテーマ(2025年4月~2030年3月)

基本理念 土台となる価値観
パッケージは、消費者の手元へ商品が届くために欠かせないモノです。私たちは、お客様の商品を装い、包み、守ることで社会に貢献しています。
このビジョンは、人本主義(人を中心におく経営)をグループ経営の根幹に据え、環境経営で常に業界をリードしながら、あらゆる包装ニーズに対して総合的なソリューションを提供し、世界の物流と人々の暮らしを支え、明るい未来を創ることを基本理念としています。
ビジネスモデル
価値創出基盤 ヘキサゴン経営
当社グループは、「ゼネラル・パッケージング・インダストリー=GPIレンゴー」を標榜し、あらゆる産業の全ての包装ニーズにソリューションを提供する「パッケージプロバイダー」として、6つのコア事業を軸に構成する体制をヘキサゴン経営と呼んでいます。六角形を構成する各コア事業をさらに強靭化するとともに、各事業間の水平連携、垂直連携を高めることで包装に関するビジネスチャンスを逃さずつかみ、持続可能なバリューチェーンの確立と付加価値創出力の強化に取り組んでいます。

- 製紙事業*
パッケージへのこだわりは、
ベースとなる製紙から。 - 段ボール事業*
パイオニアとしてゆるぎない品質と、
さらなる進化をリード。 - 紙器事業*
より美しく、より魅力的に、
お客様の販売促進をバックアップ。 - 軟包装事業
フィルム包装やラベルなど、美しく包み、
優しく保護。 - 重包装事業
あらゆる産業を支える確かな品質と
ラインアップ。 - 海外事業
長年培ってきた最先端のパッケージ品質を
世界の成長市場へ送り出す。
当社グループの中で、6つのコア事業をサポートする運送事業や機械システム事業も行っています。
*セグメント情報上は、製紙・段ボール・紙器の各事業を包括し、「板紙・紙加工関連事業」としています。
価値創出基盤 バリューチェーン
当社グループは原紙から段ボール、段ボール箱、紙器までの一貫体制を確立していることに加え、軟包装でもフィルム原反から包装製品まで、川上から川下をつないだバリューチェーンを事業基盤としています。
今後5年間で、日本国内においては、この事業基盤を支える段ボールのリサイクルシステムに一段と磨きをかけるとともに、フィルムの分野でも同様の循環経済の実現を志向しつつ、海外においてもバリューチェーンの構築・強化を加速し、業容拡大を図ってまいります。

重点テーマ
コア・コンピタンスの
さらなる強化に向けて
ビジョンと中長期的な成長の実現に向け、「マテリアリティ(重要課題)への取組み」と「グループ経営の進化/深化」を重要テーマと位置づけ、当社グループとしての総合力を最大限に発揮できる価値創出基盤の強化に一丸となって取り組んでまいります。
ビジネスにおける強さと、環境・社会に対する優しさを両立させ、持続可能な成長を目指します。
各事業の取組み
板紙・紙加工*、軟包装、重包装、海外、その他の5つの事業セグメントがそれぞれの強みを最大限に活かし、収益性の改善と価値創出力の向上を図ってまいります。
*事業セグメントの「板紙・紙加工」とは、ヘキサゴン経営の製紙・段ボール・紙器の各事業を総称したものです。
板紙・紙加工関連事業

軟包装関連事業

重包装関連事業

海外関連事業

その他事業

マテリアリティへの取組み
「パッケージプロバイダー」としての新たな価値創出
板紙・紙加工関連事業
次世代原紙の開発
板紙・紙加工関連事業
RFIDによる原紙
管理システムの
普及促進板紙・紙加工関連事業
バイオエタノール
事業への参入板紙・紙加工関連事業
環境配慮型製品・
社会課題解決型
製品のラインアップ
強化板紙・紙加工関連事業
SP事業・
CP事業*の拡大その他の事業
包装システムの
開発・
販売の強化軟包装関連事業
環境配慮型フィルム
製品の
開発・販売の
強化軟包装関連事業
セロファン生産
設備
リニューアル軟包装関連事業
セルロースビーズの
用途開発と
生産能力強化
*SP事業:セールスプロモーション事業、CP事業:コントラクトパッケージング事業の略称です。
地球環境との共生
当社グループは、気候変動対策を経営の最重要課題と位置づけ、カーボンニュートラルの実現に向けたロードマップのもと、製品ライフサイクル全体での温室効果ガス排出量削減を推進します。また、事業活動を通じた循環経済拡大への寄与とともに、生物多様性の保全や回復を図り、自然資本の維持・向上に努めます。
主な達成目標(2030年度)
-
気候変動への対応
GHG排出量
(Scope1+2)46%削減
(2013年度比)
循環経済の拡大
水使用量原単位
22%削減
(2023年度比)
自然資本の保全
廃棄物の有効利用率
99%以上
人を中心におく経営
人本主義を会社経営の柱に据え、人権の尊重を基本に、安全で働きやすい環境の整備、ゆとりと豊かさの実現、DEIの推進を通じ、持続的な成長と生産性向上を図る「 人を中心におく経営」に取り組んでまいります。
主な達成目標(2030年度)
人権の尊重
人権デュー・ディリ
ジェンス実施率100%
安全で働きやすい
環境の整備死亡・重篤災害件数
0件
ゆとりと豊かさの実現
エンゲージメント調査
の実施率100%
DEIの推進
女性採用比率
(グループ平均)30%以上
持続的成長に向けた経営基盤の強化
グループガバナンスの強化やDXを推進することで、経営基盤を整備します。加えて、取引先とのパートナーシップ強化に努めるとともに、製品の品質と安全性を確保します。これら4つの取組みを通じて、グループ全体の持続的成長基盤をより強固なものにしてまいります。
主な達成目標(2030年度)
グループガバナンス
の強化重大な腐敗行為の
発生件数0件
DXの基盤構築
重大な情報セキュリティ
インシデント発生件数0件
取引先との
パートナーシップの強化主要原材料
サプライヤーへの
CSR調達アセス
メント
の実施製品の品質と
安全性の保証重大な製品不具合の
発生件数0件
グループ経営の進化/深化
一貫体制の進化/深化 軟包装関連事業におけるグループ経営の取組み

軟包装関連事業において、M&Aなどを通じてグループ全体のフィルム製造から印刷・加工までの一貫体制を強化し、バリューチェーン全体の最適化や、他の事業セグメントとの連携を通じた付加価値創造に取り組んでいます。顧客との揺るぎない信頼関係に基づく安定供給体制を基盤に、垂直統合によるシナジーを最大化し、開発から供給、販売に至るまでの全プロセスで柔軟性と効率性を高めています。これにより、変化する市場ニーズに迅速に対応し、持続的な成長と競争優位性の確立を目指します。
グローバル経営の進化/深化

今後5年間で海外関連事業の成長を加速させ、アジア、欧州、米国のそれぞれで事業規模の拡大や収益性の向上を図ってまいります。グローバル人材の拡大やDEIの推進による人的資本の強化、デジタル化などを通じた効率的かつ柔軟な経営体制の整備を通じ、グローバル経営における価値創出基盤の強化を中長期的な成長につなげ、グループとしての持続可能性を高めてまいります。
経営指標
キャッシュ・アロケーション
ビジョンの期間累計(2026/3期~2030/3期)では、フリー・キャッシュフローを800億円(売上高累計5.4兆円、FCFマージン1.5%)とする計画です。設備投資・M&Aについては、基盤投資に55%のほか、サステナビリティ投資に10%、成長投資に20%、移転・リニューアルに15%を配分する方針です。また、2030年3月期末時点における配当性向30%に向けた累進的な配当を行うとともに、政策保有株式については純資産比10%未満を目指し売却を進めます。

財務指標
当社グループは、ビジョン最終年度となる2030年3月期に向け、ネット有利子負債EBITDA倍率2.6倍を目線に健全な財務基盤を堅持しつつ、経常利益率6%、ROE8.5%を目指し収益性および効率性の向上に努めてまいります 。
グループ一丸となり、ステークホルダーの皆様に信頼される企業を目指し、持続可能な成長を実現するための取組みを力強く推進します。
| 2025年3月期 | 2030年3月期 | |
|---|---|---|
自己資本 |
4,640億円 |
5,900億円 |
有利子負債 |
4,485億円 |
4,300億円 |
総資産 |
12,431億円 |
14,000億円 |
D/E レシオ |
1.0倍 |
0.7倍 |
ネットD/Eレシオ |
0.8倍 |
0.6倍 |
自己資本比率 |
37.3% |
43% |
| 2025年3月期 | 2030年3月期 | |
|---|---|---|
売上高 |
9,933億円 |
12,000億円 |
営業利益 |
374億円 |
700億円 |
経常利益 |
392億円 |
720億円 |
親会社株主に帰属する |
290億円 |
490億円 |
減価償却費* |
596億円 |
650億円 |
EBITDA |
971億円 |
1,350億円 |
*のれん償却額を含む
| 2025年3月期 | 2030年3月期 | |
|---|---|---|
ROE |
6.5% |
8.5% |
ネット有利子負債 |
3.8倍 |
2.6倍 |