レンゴーの歴史 レンゴーのあゆみ 2010年〜「ゼネラル・パッケージング・インダストリー」=GPIレンゴー 2010年(平成22) 昼間の使用電力は全て太陽光発電で賄う福島矢吹工場(福島県矢吹町)を開設 2012年(平成24) 東日本大震災から1年で新仙台工場(宮城県大和町)を再建・開設 2014年(平成26) 国内最大級のラック式免震自動倉庫を持つ新名古屋工場(愛知県春日井市)を開設 2015年(平成27) 丸三製紙株式会社の段ボール原紙製造設備(8号抄紙機)が竣工 2016年(平成28) トライウォール・ホールディングス社を子会社化 写真30 福島矢吹工場 写真31 福島矢吹工場 「軽薄炭少」(けいはくたんしょう)。軽くて丈夫、薄くて場所もとらず、CO2の発生量も少ない、もっともっと環境に優しい理想的な段ボール。2010年5月、その「軽薄炭少」段ボールを生み出す21世紀の理想の段ボール工場、福島矢吹工場(写真30・31)が福島県西白河郡矢吹町に完成しました。約9,000枚のソーラーパネルによる太陽光発電で昼間の工場使用電力の全てを賄うのをはじめ、ボイラ燃料にはLNG(液化天然ガス)を採用するなど、当社がこれまで蓄積してきた省資源・省エネルギーに関する環境技術のノウハウの全てを結集した同工場は、地球環境保護を経営の最重要課題と考える当社の象徴でもあります。地球温暖化防止を見すえた環境配慮型段ボール工場のトップランナーとして、省エネ性能の高い最新鋭の設備と高度な生産管理システムで、高品質な段ボールシートから各種段ボールケースまでの一貫生産を行うとともに、徹底した環境対策で移転前の旧工場と比べたCO2排出量は実に約40%削減されています。 福島矢吹工場をはじめとする軽薄炭少プロジェクトは、省資源・省エネルギーを考えた、環境に優しい最も効率的な最適包装の提案とともに、段ボールのさらなる軽量化に向けた、Cフルート段ボールの推進やLCC原紙(Less Caliper & Carbon containerboard)の開発として大きな成果を生んでいます。 2011年3月11日、宮城県三陸沖を震源とする東日本大震災が発生、当社グループにも甚大な被害をもたらしました。中でも、仙台工場が壊滅的被害を受けるとともに、福島県南相馬市の丸三製紙株式会社も福島第一原発の影響により、3カ月以上にわたり操業停止を余儀なくされました。 仙台工場は、地元「宮城から逃げない」とのメッセージを込め、翌2012年3月、わずか1年という短期間で新仙台工場(写真32・33)として再建を果たし、雇用の場の確保とともに地元経済復興の先導役を果たしました。復興再生に向け力を合わせて取り組んだ人々の絆と、未来への希望を託したモニュメント「一心の塔」が、今日も東北の元気を見つめています。 写真32 新仙台工場 写真33 モニュメント「一心の塔」 2011年4月、東日本大震災により皆が不安な気持ちを抱える中、当社は次の100年を見据えた新たなコーポレート・ステートメントとして「ゼネラル・パッケージング・インダストリー=GPI」を掲げました。製紙、段ボール、紙器、軟包装、重包装、海外という6つのコア事業を中心に、たゆまぬ意識改革とイノベーションを通じて、より広範な領域でパッケージングの新たな価値を創造し、あらゆる産業の全ての包装ニーズに積極的に働きかける提案型の企業グループGPIレンゴーとして新たに歩み始めました。 写真34 デルタフルート 2013年4月、当社独自の新規格段ボール「デルタフルート」(写真34)を開発。デルタとは、ギリシア文字でDを表し、従来からあるA、C、Bフルートに次ぐ4番目の厚みのフルートです。「デルタフルート」という名前には、これからも続くさまざまなイノベーションのさきがけとして、その革新性とともに地球環境保護の観点から世界に広がっていって欲しいという願いが込められています。 「デルタフルート」の開発をきっかけに、当社は「軽薄炭少」をさらに進化させた“Less is more.”を事業活動の中心テーマに据え、より少ない資源で大きな価値を生む革新的なパッケージづくりに取り組む姿勢を明確にしました。 すなわち、 1.“Less energy consumption” =エネルギーの消費はできるだけ少なく 2.“Less carbon emissions” =二酸化炭素の発生はできるだけ少なく 3.“High quality products with more value-added” =より付加価値の高い高品質な製品づくり それは、資源を有効活用し、地球環境への負荷を低減しながら、高品質で付加価値の高いパッケージづくりを通じて、より良い社会づくりに貢献するという、レンゴーグループが目指す姿勢そのものです。 2014年1月、“Less is more.”を体現する工場である新名古屋工場(愛知県春日井市)が完成しました。太陽光発電設備の導入をはじめとして環境への十二分な配慮はもちろんのこと、当社段ボール工場初のラック式免震自動製品倉庫(写真35・36)を導入し、効率的な在庫管理と物流作業の安全性向上を図るなど、最先端(Leading edge)の技術のかずかずと地球環境保護のためのさまざまな工夫が詰まった工場です。工場の真下をリニア中央新幹線が通る予定で、ますます発展が期待される中部経済をパッケージングでしっかりと支えます。 写真35 新名古屋工場全景 写真36 新名古屋工場自動倉庫 2015年3月3日、福島第一原子力発電所から25kmの福島県南相馬市にあるグループ会社丸三製紙(株)で、新たな段ボール原紙生産設備(抄紙機)が竣工しました(写真38・39)。南相馬の中核企業である丸三製紙(株)は街の息吹そのもの。東日本大震災から4年、新抄紙機は復興・再生に全力で取り組む南相馬の人々とともに、この街の夢を未来へとつなぎ続けます。レンゴーグループは、東北の復興を重視し、津波で壊滅した仙台工場の移転再建と、この新抄紙機の建設にいち早く取り組みました。それは雇用の確保による人心の安定と、地域の永続的な繁栄を念頭に置いたものですが、東北の力強い復興が日本全体の生産性向上にもつながるものと確信しています。新抄紙機は、世界最高レベルの品質を誇り、近年環境面からニーズの高まる段ボール原紙の薄物化に対応するとともに、徹底した省エネ・省資源化が図られており、“Less is more.”を体現しています。 写真37 RPI社ハワイ段ボール工場 写真38 丸三製紙(株) 新8号抄紙機建屋外観 写真39 新8号抄紙機 2016年10月、重量物段ボールの世界ブランド「Tri-Wall Pak®」「Bi-Wall Pak®」を有し、アジアとヨーロッパ各国を中心に、重量物段ボールで世界ナンバーワンの実績を誇るトライウォールグループの持株会社であるトライウォール・ホールディングス社を子会社化しました。グループの重量物段ボールのラインアップがより充実するとともに、世界的に事業展開するトライウォールグループの実績と経験は、GPIレンゴーのグローバル化をさらに大きく前進させることになります。 どんなに素晴らしいものも、それを包むパッケージがなければ、その価値を世の中に届けることはできません。段ボールをはじめとするパッケージは、時代の変化とともに「包む」「守る」という基本機能に、「装う」「伝える」といった情報発信機能を加え、心通じあうコミュニケーションツールとしてさらに進化する可能性を秘めています。製紙、段ボール、紙器、軟包装、重包装、海外という6つのコア事業を中心に、レンゴーグループはこれからも、たゆまぬ意識改革とイノベーションを通じて、より広範な領域でパッケージングの新たな価値を創造し、あらゆる産業の全ての包装ニーズに積極的に働きかける提案型の集団「ゼネラル・パッケージング・インダストリー」=GPIレンゴーとして、よりグローバルな体制でお応えできるよう、日本で、世界で、躍動と挑戦を続けてまいります。 前のページ レンゴーのあゆみTOPへ