レンゴーの歴史

レンゴーのあゆみ

1881年〜序(創業の立志)

1881年(明治14) 井上貞治郎出生
1895年(明治28) 井上、神戸の商家で丁稚奉公
1909年(明治42) 井上、14年間の放浪から立ち直る
    • 創業者・井上貞治郎
      創業者・井上貞治郎

    井上貞治郎は、1881年、兵庫県姫路市郊外の農家で生まれました。高等小学校を卒業後、「商売を覚えて偉うなったろ」という大きな志を立てて神戸の商家へ丁稚奉公に出た井上でしたが、そこでの生活に物足りなさを感じて、新たな働き場所を求めて店を出ました。ところが、井上の志はいつも空回りし、洋紙店、回漕店、活版屋、中華料理店(横浜「聘珍楼(へいちんろう)」)、銭湯、酒場、パン屋、散髪屋、砂糖屋、洋服屋、材木屋、板問屋、石炭屋・・・、「段ボール」をつくり始めるまでの14年間、転職は三十数回におよびました。その間、神戸から横浜、大阪、京都に住居を移し、さらには、韓国へ渡って満州(現中国東北部)にも足を伸ばして「新天地で一旗揚げよう」という夢を描いたものの、どの仕事も失敗に終わりました。やがて大連から上海、さらに香港へと渡りましたが、夢は破れて、日本へ戻るしかありませんでした。

    1909年、井上は帰国すると、春爛漫の東京・上野公園にやって来ました。そのうちふと、一本の桜木の下で足を止めこう考えました。「商売を覚えて偉うなったろと故郷を離れたが、挙句の果てはこの有り様か。無駄な人生を過ごしたものだ。しかし、待てよ。人生はまだある。よし、裸一貫からやり直そう。独立自営を目指して進もう」。この日は4月12日。井上が人生の再出発を決意したこの日は、後にレンゴーの創立記念日となりました。これが他社に例の無い特異な創立記念日の由来です。