IR トップメッセージ

  • 代表取締役会長兼社長 大坪 清

    経済・社会の持続的な発展と、人々の豊かな暮らしを支える
    「ゼネラル・パッケージング・インダストリー」=GPIレンゴー

     2019年、創業110周年を迎えるレンゴーグループは、その先の100年も見据えた盤石な事業基盤の構築を進めています。あらゆる産業の全ての包装ニーズに対して、総合的なソリューションを提案する「ゼネラル・パッケージング・インダストリー」=GPIレンゴーとして、製紙、段ボール、紙器、軟包装、重包装、海外の6つのコア事業を中心とするヘキサゴン(六角形)経営を展開し、“Less is more.”をキーワードに、より少ない資源で大きな価値を生む、人にも、環境にも優しい、革新的なパッケージづくりを進めています。

    2018年3月期の業績総括

    好調な包装需要とグループ事業の拡大により増収を実現
    再生産可能な価格体系の実現に取り組む

    2018年3月期の連結業績は、売上高605,712百万円(前期比11.0%増)、営業利益17,082百万円(同27.7%減)、経常利益23,168百万円(同8.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益16,622百万円(同19.8%増)と、2017年3月期につづき増収となりました。
    板紙・紙加工関連事業は、販売量の増加に加えて、製品価格の改定に取り組みましたが、古紙価格の高騰やエネルギー価格の上昇等により、増収減益となりました。段ボール原紙の主原料である古紙の高騰や、燃料、薬品、物流経費等の上昇に対して、徹底したコストダウンにより製品価格の維持に努めてきましたが、当社単独の努力では抗し難い状況となったため、2017年8月出荷分からの段ボール原紙をはじめとする板紙製品、10月出荷分からの段ボール製品のそれぞれ価格改定に取り組み、一定の成果をあげました。国内外における旺盛な段ボール需要は古紙価格にも大きな影響を与えており、エネルギー価格とともに今後ともその動向を注視してまいります。
    軟包装関連事業は、コンビニエンスストア向けの需要は増加したものの、材料費や固定費の増加により増収減益、重包装関連事業は、除染用コンテナバッグ(フレキシブルコンテナ)の需要が減少したことにより、減収減益となりました。また、海外関連事業は、連結子会社となったトライウォール・ホールディングス社の業績が寄与したことに加えて、段ボール事業が好調に推移したことにより大幅な増収増益となりました。

    国内での戦略・取組み①

    拡大する需要を見据えた生産体制の構築

    2017年の国内段ボール生産量は142億㎡と前年を1.7%上回りました。2018年も前年比1.2%増の144億㎡と予測され3年連続で過去最高の更新が見込まれています。eコマースの伸長もあり段ボール需要は今後も順調な伸びが予想される中、拡大する需要に対して、積極的な設備投資やM&Aにより生産体制の整備と競争力の強化に努めてきました。
    段ボール原紙生産体制再構築の取組みでは、2017年10月に、金津工場(福井県あわら市)のライナ原紙併抄化改造工事が完了し営業運転を開始するとともに、12月には、淀川工場(大阪市福島区)での生産を終了し、グループの国内段ボール原紙生産拠点を6工場から5工場に集約しました。これにより、製紙工場全体の稼働率が向上するとともに、中しんとライナの供給バランスも改善され、収益力が向上しました。
    また、段ボール需要が大きく伸びている関東地区における供給能力増強の一環として、2018年1月に、アサヒ紙工株式会社(埼玉県鴻巣市)本社工場の貼合工場棟と事務所倉庫棟を増築し、コルゲータ(段ボール貼合機)を更新しました。これにより品質がさらに向上し生産能力が拡大したほか、重量物用段ボールの生産も可能となりました。さらに、3月には、凸版印刷株式会社の子会社トッパンコンテナー株式会社(東京都台東区)の当社子会社化につき契約を締結しました。トッパンコンテナーは国内3カ所(埼玉県川口市、栃木県佐野市、宮城県石巻市)に段ボール工場を有しており、今後、積極的な設備投資を検討し、生産能力増強と品質向上により従来以上に顧客ニーズに応える体制を整えてまいります。
    一方、軟包装事業の分野では、コンビニエンスストア向けをはじめフィルム包装の旺盛な需要を背景に、朋和産業株式会社(千葉県船橋市)習志野工場(同)が新工場棟を増築し、2018年秋に、同工場の印刷フィルムの生産能力を約3割増強します。重包装事業の分野では、日本マタイ株式会社(東京都台東区)が事業の多角化に注力しており、世界トップレベルの販売量を誇る「紙キャリア用トップ・ボトムテープ」など、製品の高付加価値化への取組みが大きく実を結んできています。なお、両社は、2017年4月に、タイに合弁でマタイ朋和パッケージング(タイランド)株式会社を設立しました。タイおよび東南アジア地域における販売拠点として伸長のつづく現地の需要に的確に対応してまいります。

    国内での戦略・取組み②

    社会の要請に応えるソリューションを提供

    少子高齢化の進行により人手不足が社会問題として顕在化する中、流通現場における作業効率化に貢献するリテールメイトシリーズ「レンゴー スマート・ディスプレイ・パッケージング(RSDP)」への関心が高まっています。開封・取出し・陳列の作業時間を大幅に短縮し、店舗のローコストオペレーションを実現するRSDPは、店頭でのディスプレイ機能にも優れ販売促進にも貢献します。RSDPは、デザイン・マーケティング、包装技術、包装システムをはじめ、製造から営業、研究開発まで、まさに総合力を結集して開発された新発想の段ボールケースであり、そのラインアップは今も進化しつづけています。
    eコマース分野では、物流センターでの梱包や出荷作業の負担軽減が急務となっています。独自開発の「ジェミニ・パッケージングシステム」は、商品の寸法を計測しそれぞれの高さに合わせた箱を自動で組み立てる画期的な包装システムとして、包装工程を大幅に自動化、効率化できることから多くの引き合いをいただいているほか、一部機能を簡略化した「ジェミニS」を新たに開発し、より広範なニーズにお応えしています。
    今後とも、社会的課題の解決も念頭に、パッケージングのイノベーションを通じて、お客様のさまざまなニーズにお応えしてまいります。

    海外での戦略・取組み

    トライウォールグループの事業拡大と既存事業のさらなる充実

    海外関連事業は、トライウォール・ホールディングス社の業績が2018年3月期より連結対象となったほか、段ボール事業も好調に推移したことから、売上高、セグメント利益ともに、前期から大きく飛躍しました。
    トライウォールグループは、重量物段ボールの世界ブランド「Tri-Wall Pak®」「Bi-Wall Pak®」を有し、香港に本社を置くトライウォール社を中心として、グローバルに事業を展開しています。同社は、2017年4月、米国に重量物包装資材の製造・販売会社を合弁で設立したほか、6月にはポーランド、7月には英国のそれぞれ重量物包装資材メーカーを傘下に収めるなど積極的なM&Aを展開しました。さらに、本年1月には、タイにおいて生産能力を拡充し重量物包装需要の増加に応える体制を整えました。
    一方、中国、マレーシアおよび米国(ハワイ)に9工場を展開する海外段ボール事業では、サプライチェーンの強化に加え、原材料価格に連動した製品価格改定により適正利益の確保に努めた結果、増収増益となりました。
    なお、ASEAN諸国ではサイアム・セメント・グループとの合弁会社であるタイ・コンテナーズ・グループ社を通じ、タイに段ボール工場を15カ所展開するほか、その子会社TCフレキシブル・パッケージング社を核として軟包装事業にも注力しており、より幅広いパッケージングサービスを提供できる体制を築いています。
    これらをはじめ、グループ全体で世界17カ国・地域に138工場を展開(連結対象以外含む、2018年3月末時点)していますが、今後ともグループの総合力を高めグローバルな事業基盤をさらに強化してまいります。

    企業の社会的責任

    働き方改革を通じた全要素生産性向上の取組み

    わが国が、労働力人口の減少を乗り越え、これからも成長をつづけるためには、働き方改革を通じた生産性の向上、中でも全要素生産性(TFP:Total Factor Productivity)の向上が欠かせません。段ボール産業では全要素生産性の向上にいち早く着目し、2014年、全国段ボール工業組合連合会に生産性向上委員会を立ち上げましたが、当社はトップメーカーとして、長時間労働是正や年次有給休暇取得率向上に率先垂範取り組んできました。この問題は段ボール産業におけるドライバー不足の深刻化とも密接につながっており、荷受人であるお取引先との真摯な話し合いを通じて、長時間労働の原因となっている手荷役や短納期、小ロットなどの改善を進めています。
    また、当社自身も荷主企業の立場から、ドライバーの働き方改革を念頭に、運送事業者と連携、協力して物流の効率化を進めています。金津工場では、段ボール原紙の長距離輸送解消のため、中継地として拠点倉庫を設けるとともに、物流改革のさまざまな工夫によりドライバーの長時間労働を改善し、製品デリバリーの効率化を実現しており、その取組みは模範事例として地元労働局からも高く評価されました。
    一方、多様な人材が活躍できる職場づくりの面では、「女性の活躍推進に関する行動計画」に基づき、採用促進や職域拡大をはじめとする女性活躍の支援体制を強化するほか、男性の育児休業取得推進に焦点をあてた「働き方改革宣言」を策定するなど、人材と働き方の多様化に取り組んできました。2018年3月には、「働き方改革アクションプラン」を策定し、①長時間労働の是正、②年次有給休暇の取得促進、③柔軟な働き方の促進の3つの視点から、それぞれ数値目標、達成時期、行動計画を定めて鋭意取り組んでいます。
    ものづくりだけでは真の生産性向上にはなりません。技術革新とともに人の働き方、心のありようまでがかかわる全要素生産性の向上が重要です。それこそが働き方改革が求められるゆえんであり、これからも「心が通った生産性の向上」を進めてまいります。

    SDGs経営

    持続可能な企業経営と社会の実現を目指して

    創業110周年という大きな節目に向けた将来ビジョン「Vision110」では、目指すべき目標として「世界一のゼネラル・パッケージング・インダストリーへの挑戦」を掲げています。そのためには、国内外のあらゆる包装ニーズに対応する高度なパッケージング・ソリューションと、包装材の調達から物流、梱包までを一体化したサプライチェーンを提供できる体制を確立し、ヘキサゴン経営の収益基盤をさらに強固にすることが必要不可欠です。
    さらに、持続可能な社会の実現に向けた国際的な統一目標であるSDGs(持続可能な開発目標)を見据え、その達成への大きな推進力となる創造性とイノベーションの源である、従業員一人ひとりの価値を尊重し、多様な人材がその能力を最大限発揮できる環境づくりに向け、今後とも、働き方改革を加速し、全要素生産性の向上に注力するとともに、温室効果ガス排出抑制をはじめとする環境保全を積極的に推進してまいります。社会と地球の持続可能性こそが、企業にとっての事業基盤であり、当社グループは、これからも“Less is more.”のパッケージング・イノベーションを通じて、SDGs達成に貢献していきたいと考えています。
    世界一のゼネラル・パッケージング・インダストリーに完成形はありません。それは高い倫理観と公正な経営姿勢のもと、より付加価値の高いパッケージの創造に世界で一番の情熱を注ぎ、常に挑戦しつづける姿勢そのものにほかなりません。レンゴーグループは、これからも事業活動の全てにおいて社会的課題と真摯に向き合い、パッケージングで物流と暮らしを支えると同時に、より良い社会、持続可能な社会の実現のために、たゆみない努力をつづけてまいります。
    引きつづき、株主、投資家をはじめとするステークホルダーの皆様には、ご理解とご支援を賜りますよう心よりお願い申しあげます。