ニュースリリース / 2010年

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  • 2010/10/8

    武生工場でVOCの完全燃焼を実現
    もっと環境にやさしい工場づくりをめざして

    当社武生工場(福井県越前市)は、木材パルプを原料とするセロファンをはじめ、さまざまな機能材商品を生産するユニークな工場です。
    セロファンは、美しい光沢と最高の透明度、そして高い手切れ性といった優れた特徴を有する天然系の包装材で、生分解性も高く、環境にやさしい素材と言えます。
    同工場では、製品のみならず、生産プロセスにおいても環境にやさしい工場を目指して、本年4月にボイラ燃料を重油からLNG(液化天然ガス)へ転換し、それによりCO2の排出量削減は年間4,500トン-CO2(2008年度の同工場排出量の24%に相当)を見込んでいます。
    また、同工場ではポリエステルやナイロンなどのプラスチックフィルムへさまざまな機能性薬品をコートする加工を行っており、この工程で有機溶剤を使用する場合にVOC(Volatile Organic Compounds = 揮発性有機化合物)が排出されます。
    大気汚染防止法では、VOCの排出を抑制するために、法規制に加えて、事業者に自主的な取組みが求められていることから、LNGへの燃料転換で設置したガス焚き貫流ボイラと併せて、同工場に川重冷熱工業が開発した「VOC燃焼システム」を国内で初めて導入いたしました。以来、数種類のVOCについて、それらを含有するガスを貫流ボイラで処理することを試みてまいりましたが、このほどこのシステムでVOCを完全に分解して、検出限界(20ppmC)以下に低減できることが実証されました。


    *ppmCとは、VOCの排出基準値に使われる炭素換算濃度のことで、検出されたVOCのppm濃度にその炭素数(例えば、C7H8の化学式で表されるトルエンの炭素数は7)を乗じたもの。

     

    こうした取組みを含め、当社は、「軽薄炭少(CO2削減)」をキーワードに、包装の軽量化と、製品、製造プロセス両面でのCO2削減を積極的に推進しており、 2009年度の全社CO2排出量削減は1990年度比28%を達成しております。
    現在、新たな目標として2020年度までに32%削減、2050年までに50%削減を掲げており、今後とも事業活動全般において地球環境保全に向けた省資源・省エネルギー の取組みを着実に実施してまいります。

    武生工場 VOC(揮発性有機化合物)燃焼処理設備

    設備名

    VOC(揮発性有機化合物)
    燃焼処理設備:川重冷熱工業株式会社製

    処理概要

    ○国内初となる大型貫流ボイラを用いたVOCの直接燃焼法による完全処理
    ○大型貫流ボイラの燃焼空気に混合するシンプルな処理方法

    長所

    ○ボイラ内部においてVOCが700℃以上の高温で処理されるため信頼性が高い
    ○VOCを燃焼することで、消費する燃料を削減
    ○高度な燃料制御により、VOCの種類や濃度が変化しても安定した運転が可能

    稼働時期 2010年4月
    ガス焚き貫流ボイラ
    ガス焚き貫流ボイラ
    VOC燃焼システム図
    VOC燃焼システム図


     

    >>「武生工場にて燃料を重油から液化天然ガス(LNG)へ転換」ニュースリリース