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職業と学び-キャリアデザインを考える

質疑応答


Q1:
段ボールの生産量とGDPは関連性が高く、最近は日本の成長力が弱くなっているようですが、今後の見通しについてはどうお考えでしょうか。

A1:
 GDPだけで国内の経済力を判断することは、現代の日本にとって必ずしも正しいことではなく、今後はGDPに海外からの純所得受取を加えたGNI(Gross National Income:国民総所得)で日本の力を判断していかなければなりません。長引く円高の状況下にあって、日本から海外へ生産拠点を移した場合、国内の雇用がなくなるということではありません。その拠点で生産活動を行い、利益・利潤を日本へ送り返せばよいのです。若い学生の皆さんが海外志向を持つためにもGDPでなく、GNIで考えるべきだと思います。

 

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Q2:
会社で少子化対策に取り組んでおられるとのお話がありましたが、人口が減ると国力が落ちることになるのでしょうか。

A2:
 人口が減ったら経済の総生産量が減り、国力も減ってしまいます。例えば、アメリカは停滞していると言われますが、人口が増え、国力自体は伸びています。アメリカの人口は3億人を超えましたが、日本の人口は現在の1億2千万人からこのままでは2050年には8千万人になると言われています。これでは国力が低下していくことになります。

 

Q3:
今は数年で社長が次々と替わる企業が多く、長期に社長を務めることで長期的な戦略ができるようになるとのことですが、大坪社長が在任中にされたビジネスプラン、事業はどのようなものがありますか。

A3:
 長期に社長を務めることはプラスとマイナスの両方の側面があると思います。例えば、今はやりのベンチャービジネス、あるいはIT企業は、比較的短い期間で、若い方が社長になってすぐに交代することがあるのですが、当社のように製造業、加工業となれば、ある程度の長期プランを持って臨まなければ、本当の意味の事業はできません。
 当社はもともと段ボールと製紙事業を一部行ってきましたが、パッケージング全般を行うよう、昨年からコーポレート・ステートメントを「ゼネラル・パッケージング・インダストリー(GPI)」と掲げています。一つの基軸事業をつくって、それに関連する事業を広げていくという形が一番よいと考えています。すなわち、バーティカル(vertical:垂直的な)に縦方向に企業を伸ばしていくと同時に、ホリゾンタル(horizontal:水平的な)の展開をして、縦・横・斜めに連携した企業体にすることです。一昨年までは、ペンタゴン経営と称し、板紙・段ボール・紙器・軟包装・海外事業の5極を核とした五角形の経営を志向していましたが、現在はこの五角形に重包装を加え、六角形のヘキサゴン経営としています。このコア・コンピタンスを更に増やし、円形に近付けていく事業形態にしたいと考えています。

 

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Q4:
現代の若者に求められるものとして、“sympathy”が少し足りないというお話でしたが、そのように感じられる原因を教えていただけますでしょうか。

A4:
 今の若い方々は、すぐに携帯を持ったりパソコンに向かったりし、あまり話をしない傾向があります。フェース・ツー・フェースで本当の声を出して友達を作り、友達同士で意見を交換しながら、相手の家庭、生活等々をわかり合って、お互いに助け合っていくところが少し欠けているのではないかと感じています。自分の部屋に引きこもったり、あるいは電車の中で携帯を使うのではなく、本の活字を読んでいただきたいと思います。横文字の画面でなく、縦文字の本を読んで日本人らしさを持ち続けていただきたいと思います。