ニュースリリース / 2006年

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2006/4/11

ワサビ成分(アリルカラシ油)の
インフルエンザ等ウィルスに対する効果実証について

当社が様々な分野で商品化を行っている天然系抗菌防カビ剤のアリルカラシ油が、岩手大学の 平野博士によって“SARSウィルス”と同属のコロナウィルスに対し既存の消毒剤と同等の効果を 持つこと、また、(財)日本食品分析センターの試験によってインフルエンザウィルスにも効果 があることが確認されましたので発表いたします。


(1)アリルカラシ油とは

日本独特の天然食材であるワサビには、古くから高い抗菌作用があることが知られていました。このワサビやカラシに含まれる辛み成分の「アリルカラシ油」は、細菌・カビ・酵母などの様々な微生物に高い制菌効果を発揮することが科学的にも証明されており、食品の日持ち向上や鮮度保持などに利用されていますが、アリルカラシ油は揮発性が高いために取扱いが非常に難しく、その性能を充分に発揮させることが困難でした。
当社では、この天然由来の抗菌防カビ剤であるアリルカラシ油に早くから着目し、独自で開発した放出制御技術(特許取得済)により、刺激臭を持つアリルカラシ油を人が感じないレベルで徐々にガス化させ、長時間利用することを可能にいたしました。

●アリルカラシ油を応用した商品「ワサヴェール」
●アリルカラシ油を応用した商品「ワサヴェール」


(2)各種ウィルスへの効果を実証

当社が様々な分野で商品化を行っている天然系抗菌防カビ剤のアリルカラシ油が、コロナウィルス研究の第一人者である岩手大学の平野博士によって、“SARSウィルス”と同属のコロナウィルスに対し、既存の消毒剤と同等の効果を持つことが確認されました。(別表1)
さらには、(財)日本食品分析センターの試験によって、インフルエンザウィルスにも効果のあることが実証されました。(別表2)
既存の抗菌剤の多くが、ウィルスを待ち受けて受動的に抗ウィルス効果を発揮するのに対してアリルカラシ油はガス化により自らウィルスに対して能動的な抗ウィルス作用を発揮することが特長です。
安全安心な天然由来成分であるアリルカラシ油のウィルスへの効果が立証されたことで、既存のアリルカラシ油を使用した商品の新しい機能が見出されたばかりか、さらに幅広い分野への用途拡大が期待されます。

暴露時間 2時間
感染力を失った割合 99.9%

試験機関 : 岩手大学
ウィルス : マウス肝炎ウィルス(コロナウィルスの一種)
試験方法 : マウス肝炎ウィルスを浮遊させたウィルス液に5%アリルカラシ油乳液を加え、
暴露したときの感染力の変化を評価した。


【平野紀夫博士のプロフィール】
岩手大学 農学部 獣医学科 獣医微生物学。助教授
東京大学大学院農学系研究科博士課程修了、農学博士、
東京大学医科学研究所助手を経て、現在に 至る。
1985年、マウス肝炎ウィルスに関する研究で日本獣医学会賞受賞。
大学院時代に確立した DBT細胞によるマウス肝炎ウィルスの増殖定量系は現在世界中でコロナウィルス研究に用いられて おり、アメリカウィルス学会では
Father of DBT cells for mouse coronavirusesと呼ばれ ている。

暴露時間 30分間 2時間 4時間
感染力を失った割合 98.0% 98.4% 99.9%

試験機関;(財)日本食品分析センター
ウィルス;インフルエンザウィルスA型
試験方法;アリルカラシ油ガスが存在する空間にインフルエンザウィルスを置き、
一定時間、ガスに暴露したときの感染力の変化を評価した。



(3)今後の展開について

●利用可能な分野・用途の拡大
MRSAなどの有害微生物への効果など、適用可能なウィルスの種類を引き続き確認し、さらに利用可能範囲の拡大を目指します。その上で、医療・福祉関連や食品関連、環境改善製品など、上記効果を発揮できる分野・用途への展開を図ってまいります。

●機能の向上
高い潜在能力を持つアリルカラシ油も、放出制御技術と一体となってはじめてその能力を発揮することができます。すなわちレンゴーの持つ独自の徐放化(包埋)技術と結びつくことによって目的に応じた高い抗菌能力を発揮させることが可能となります。当社は今後ともアリルカラシ油の能力を最大限に発揮させるよう放出制御技術のさらなるレベルアップを図り、様々な分野への用途拡大の可能性を追求していきます。

●営業展開について
当社は、アリルカラシ油の優れた特長を活かした商品開発に取り組み、現在、天然皮革等の防カビ剤や家電製品の防カビ部品などとして利用しております。さらには、アリルカラシ油が米穀の害虫にも有効なことから、米びつの防虫剤などにも使用しています。今後は、アリルカラシ油に見出された新しい機能をアピールすることで、ユーザーの開発意欲を刺激し、さらに広範囲の用途へ展開が図れるものと期待しています。

●その他の機能材商品について
一方、当社では、硫化水素などのガスや悪臭を高効率で吸着する結晶性鉱物ゼオライトを利用した新素材である「セルガイア」(当社商品名、特許登録No.3317660)を開発し商品化しておりますが、今般その特許技術をコットン繊維に使用した日清紡(株)「ガイアコット」に鳥インフルエンザウィルス不活化(ウィルスとしての機能を停止させること)の効果があることが帯広畜産大学と日清紡(株)の共同研究によって確認されました。
「セルガイア」は、いわゆる待受型の抗菌・防カビおよびガス吸着性素材として非常に高い性能を有しており、今後は、能動型の抗菌・防カビ素材であるアリルカラシ油利用製品との相乗効果も計りながら、広範な分野への展開が期待されます。

「セルガイア」断面図
「セルガイア」断面図

■銅セルガイア60%配合品のウィルス感染力を失わせる機能
ウィルス名 log(TCID 50/ml) 感染力を失った割合
接種直後 24時間後
対照 検体 対照
インフルエンザウィルスA型 5.5 <1.5 5.3 99.9%以上
アデノウィルス5型 4.7 <1.5 5.0 99.9%以上
ポリオウィルス3型 4.8 <1.5 4.5 99.9%以上
単純ヘルペスウィルス1型 4.5 <1.5 3.5 99.0%以上

試験方法:検体(3cm×3cm)にウィルス浮遊液を滴下して保存し、24時間後のウィルス感染値を測定。